Sample Questions
G検定 サンプル問題 20問
本番形式の模試から抜粋した20問を、正解・解説付きで無料公開しています。
- 問題 1人工知能とは
哲学者サールが提示した「中国語の部屋」の思考実験が示唆する内容として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ。
- A.規則に従って記号を操作し、外から見て適切な応答を返せることは、意味を理解していることを必ずしも意味しない。正解
- B.十分な計算能力を持つ機械は、必然的に人間と同様の意識を持つ。
- C.チューリングテストに合格した機械は、知能を持つことが証明されたとみなせる。
- D.機械による言語の翻訳は、原理的に不可能である。
解説中国語の部屋は、記号操作 (構文) の遂行と意味理解 (意味論) は別であることを示し、振る舞いの観察だけでは「理解」を認定できないと論じる思考実験。強い AI への批判として提示された。 - 問題 2人工知能とは
1956 年に開催されたダートマス会議で「人工知能 (Artificial Intelligence)」という言葉を初めて用いたとされる人物として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ。
- A.ジョン・マッカーシー正解
- B.アラン・チューリング
- C.フランク・ローゼンブラット
- D.ジェフリー・ヒントン
解説ダートマス会議を主催したジョン・マッカーシーが、提案書の中で「人工知能」という言葉を初めて用いたとされる。アラン・チューリングは機械の知能を判定するチューリングテストを提案した人物だが、1954 年に死去しておりダートマス会議には参加していない。フランク・ローゼンブラットはパーセプトロンの考案者、ジェフリー・ヒントンはディープラーニングの発展に貢献した研究者であり、いずれも「人工知能」という言葉の提唱者ではない。 - 問題 3人工知能をめぐる動向
2012 年に開催された大規模画像認識コンペティション ILSVRC で起きた出来事とその影響として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ。
- A.ルールベースの画像処理を用いた手法が優勝し、機械学習を用いないアプローチの有効性が再確認された。
- B.ディープラーニングを用いた手法も参加したが、人手の特徴量設計に基づく従来手法との差はわずかで、ほとんど注目されなかった。
- C.ディープラーニング (畳み込みニューラルネットワーク) に基づく手法が従来手法に大差をつけて優勝し、深層学習が広く注目される契機となった。正解
- D.大規模な知識ベースを備えたエキスパートシステムが優勝し、第 2 次 AI ブームが再来した。
解説2012 年の ILSVRC では、トロント大学のチームによる畳み込みニューラルネットワーク (AlexNet) を用いた手法が、人手で特徴量を設計する従来手法に大差をつけて優勝し、深層学習躍進の契機となった。差がわずかだったという説明や、ルールベース手法・エキスパートシステムが優勝したという説明は事実に反する。 - 問題 4人工知能をめぐる動向
第 1 次 AI ブームの探索・推論の技術が得意とした、迷路やパズルのようにルールとゴールが明確に定義された問題を指す用語として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ。
- A.トイプロブレム正解
- B.フレーム問題
- C.組合せ爆発
- D.ノーフリーランチ定理
解説迷路やパズルのようにルールとゴールが明確に定義された問題はトイプロブレム (おもちゃの問題) と呼ばれる。探索・推論の技術はトイプロブレムは解けても、現実の複雑な問題には対応できないことが明らかになり、第 1 次 AI ブームは下火になった。フレーム問題は課題に関係する事柄だけを選び出す困難さを指す難問、組合せ爆発は探索すべき場合の数が急激に増える現象、ノーフリーランチ定理はあらゆる問題で万能な手法は存在しないという定理であり、問題の種類を指す用語ではない。 - 問題 5機械学習の概要
階層的クラスタリングにおいて、クラスタが結合されていく順序や距離を樹形図として可視化したものの名称として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.デンドログラム正解
- B.散布図
- C.箱ひげ図
- D.ヒートマップ
解説階層的クラスタリングの結合の過程を樹形図として表したものをデンドログラムと呼ぶ。木を任意の高さで切ることで、クラスタ数を後から決められる点が特徴である。散布図はデータ点の分布、箱ひげ図は分布の要約統計量、ヒートマップは行列状の値の濃淡を可視化する図であり、結合の階層構造は表現しない。 - 問題 6機械学習の概要
線形回帰モデルの代表的な学習方法である最小二乗法の説明として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.予測値と実測値の差の絶対値の最大値が最小になるように、係数を定める。
- B.予測値と実測値の差 (残差) の二乗和が最小になるように、係数を定める。正解
- C.正しく判別できたデータの割合が最大になるように、係数を定める。
- D.2つのクラスを分ける境界とデータ点との間隔が最大になるように、係数を定める。
解説最小二乗法は、残差の二乗和を最小にする係数を求める線形回帰の基本的な学習法である。判別の正解率やクラス境界とデータ点との間隔の最大化は分類の考え方であり、連続値を予測する回帰の学習基準ではない。差の絶対値の最大値を最小化する基準も最小二乗法とは別のものである。 - 問題 7ディープラーニングの概要
Googleが開発した、ディープラーニングで多用されるテンソル演算(行列演算)の処理に特化した集積回路の名称として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.CPU
- B.GPU
- C.TPU正解
- D.FPGA
解説TPU(Tensor Processing Unit)は、Googleがディープラーニングのテンソル演算向けに開発した特定用途向け集積回路(ASIC)である。CPUは逐次処理を得意とする汎用プロセッサ、GPUはもともと画像処理向けに発展した並列演算装置で特定企業の専用設計に限らず広く使われる。FPGAは製造後に回路構成を書き換えられるデバイスであり、いずれも問題文の説明には合致しない。 - 問題 8ディープラーニングの概要
層の深いニューラルネットワークで発生する勾配消失問題を緩和する方法として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.活性化関数を、シグモイド関数から勾配が消えにくいReLU関数などに変更する。正解
- B.隠れ層の数をさらに増やして、表現力を高める。
- C.学習率を極端に小さな値に設定する。
- D.すべての重みを0で初期化する。
解説勾配消失は、誤差逆伝播で活性化関数の微分が繰り返し掛け合わされることで勾配が指数的に小さくなる現象である。シグモイド関数は微分の最大値が0.25と小さいため深い層で勾配が消えやすいのに対し、ReLUは正の領域で勾配が1のため消失しにくい。層を増やすと勾配消失はむしろ悪化しやすく、極端に小さい学習率は学習の停滞を招き、重みをすべて0で初期化すると各ユニットが同じ更新を受けて学習が進まなくなる。 - 問題 9ディープラーニングの要素技術
畳み込み層では、入力の特徴マップの周囲を0などの値で埋めてから畳み込みを行うことがある。このパディングを行う主な目的として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.特徴マップのチャネル数を増やし、モデルの表現力を高めるため。
- B.出力される特徴マップのサイズの縮小を抑え、入力の端に近い画素の情報も畳み込みに反映させるため。正解
- C.学習時に入力へランダムな欠損を加え、過学習を抑えるため。
- D.入力の画素値の平均と分散を揃え、学習を安定させるため。
解説パディングなしで畳み込みを繰り返すと特徴マップは徐々に小さくなり、端の画素はカーネルに含まれる回数が少なく情報が反映されにくい。周囲を0などで埋めるパディングはこの2点を緩和する。チャネル数は用いるフィルタの枚数で決まり、ランダムな欠損の付与や、平均と分散を揃える操作はパディングの働きではない。 - 問題 10ディープラーニングの要素技術
隠れ層の活性化関数として用いられるtanh関数とシグモイド関数を比較した記述として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.tanh関数の出力は-1から1の範囲でゼロを中心とするが、入力の絶対値が大きい領域では勾配が小さくなる問題はシグモイド関数と同様に残る。正解
- B.tanh関数は出力がゼロ中心であるため、シグモイド関数で問題となる勾配消失を完全に解消できる。
- C.シグモイド関数の出力は-1から1の範囲であり、tanh関数の出力は0から1の範囲である。
- D.tanh関数の微分の最大値はシグモイド関数の微分の最大値よりも小さいため、tanh関数の方が勾配消失が起こりやすい。
解説tanh関数の出力は-1から1の範囲でゼロ中心であり、シグモイド関数(出力0〜1)より学習が進みやすいとされるが、入力の絶対値が大きい飽和領域で勾配がほぼ0になる性質は共通しており、勾配消失問題が完全に解消されるわけではない。また、微分の最大値はtanh関数が1、シグモイド関数が0.25であり、tanh関数の方が大きい。 - 問題 11ディープラーニングの応用例
隠れマルコフモデル(HMM)の説明として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.直接観測できない内部状態がマルコフ性に従って遷移し、各状態から観測値が確率的に出力されるモデルである。正解
- B.次の状態が、過去に経由した全ての状態の履歴に依存して決まるモデルである。
- C.内部状態と観測値が常に一対一に対応しており、観測値から状態を一意に特定できるモデルである。
- D.多層のニューラルネットワークを誤差逆伝播法で学習させる音声合成モデルである。
解説隠れマルコフモデルは、観測できない内部状態の遷移がマルコフ性(次の状態が現在の状態のみに依存する性質)に従い、状態ごとに観測値が確率的に出力されるモデルで、深層学習の普及以前から音声認識の音響モデルなどに広く用いられてきた。全履歴への依存はマルコフ性に反し、状態と観測値の一対一対応は「隠れ」の前提に反する。 - 問題 12ディープラーニングの応用例
物体検出において、モデルが予測したバウンディングボックスと正解のバウンディングボックスの重なり具合を評価する指標である IoU (Intersection over Union) の説明として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.2つの領域の面積の差の絶対値であり、値が0に近いほど重なりが大きいと判定される。
- B.2つの領域の共通部分の面積を、2つの領域を合わせた領域 (和集合) の面積で割った値であり、完全に一致すると1になる。正解
- C.予測ボックスの中心と正解ボックスの中心の間の距離であり、値が大きいほど重なりが大きいと判定される。
- D.共通部分の面積を正解ボックスの面積のみで割った値であり、予測ボックスの大きさは値に影響しない。
解説IoU は2つの領域の共通部分の面積を和集合の面積で割った0から1の指標で、重なりが大きいほど1に近づき、物体検出で予測を正解とみなすかどうかの判定基準などに使われる。面積の差や中心間の距離は重なりの割合を表す指標ではなく、正解ボックスの面積のみで割る値も IoU の定義とは異なる。 - 問題 13AIの社会実装に向けて
機械学習システムへの攻撃のうち、モデルの学習に使われるデータの中に悪意を持って細工したデータを紛れ込ませ、学習後のモデルの挙動を攻撃者の意図した方向に歪める攻撃の名称として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.データポイズニング正解
- B.モデル窃取
- C.ポートスキャン
- D.メンバーシップ推論攻撃
解説学習データに細工したデータを混入させて学習結果のモデルを歪める攻撃はデータポイズニングと呼ばれる。学習段階を標的とする点が特徴で、推論時の入力を細工する敵対的サンプル攻撃とは区別される。モデル窃取は問い合わせ結果から同等モデルを複製する攻撃、メンバーシップ推論攻撃はあるデータが学習に使われたかを推定してプライバシーを侵害する攻撃であり、ポートスキャンは機械学習に固有の攻撃ではない。 - 問題 14AIの社会実装に向けて
内閣支持率を推定するため、固定電話のみを対象とした電話調査を行ったところ、若年層の意見がほとんど反映されず、実際の傾向と大きく乖離した。この乖離の主な原因として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.調査対象の抽出方法に偏りがあるサンプリング・バイアス正解
- B.自分の仮説に合う情報ばかりを集めてしまう確証バイアス
- C.機械による判断を過度に信頼してしまう自動化バイアス
- D.モデルの学習アルゴリズム自体に起因するアルゴリズムバイアス
解説固定電話のみを対象にすると、固定電話を持たない若年層が標本から漏れ、母集団を代表しない偏った標本になる。これは標本の抽出方法に起因するサンプリング・バイアスである。確証バイアスは情報を集める側の心理的な傾向、自動化バイアスは機械の判断への過信を指し、標本抽出の偏りとは異なる。 - 問題 15AIに必要な数理・統計知識
2つのベクトルの類似度をコサイン類似度で測るとき、ベクトルどうしが直交している場合の値として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.0正解
- B.1
- C.-1
- D.0.5
解説コサイン類似度は2つのベクトルのなす角のコサインであり、-1から1の値をとる。向きが一致していれば1、正反対であれば-1になり、直交している場合はなす角が90度でcos90°=0となる。値が1に近いほどベクトルの向きが近く、類似していると解釈できる。 - 問題 16AIに必要な数理・統計知識
事象Aと事象Bについて、AとBがともに起こる確率が0.12、Bが起こる確率が0.3であるとき、Bが起こったという条件のもとでAが起こる条件付き確率P(A|B)の値として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.0.4正解
- B.0.036
- C.0.42
- D.0.25
解説条件付き確率の定義より P(A|B) = P(A∩B) / P(B) であり、0.12 ÷ 0.3 = 0.4 となる。0.036は2つの確率を掛けてしまった誤り(0.12 × 0.3)、0.42は足してしまった誤り(0.12 + 0.3)である。条件付き確率は「Bが起きた」と分かっている世界に絞ったうえでAが起こる割合を表すため、同時確率P(A∩B)を条件となる事象の確率P(B)で割って求める。 - 問題 17AIに関する法律と契約
著作権の発生に関する記述として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.著作権は特許権と同様に、所定の機関へ出願し登録されることで初めて発生する。
- B.著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、登録や申請などの手続きは必要ない。正解
- C.著作物にコピーライト表示を付けていない場合、その著作物は著作権による保護を受けられない。
- D.著作権による保護を受けるためには、公表後一定期間内に行政機関へ届け出なければならない。
解説日本の著作権制度は無方式主義を採用しており、著作権は著作物の創作と同時に自動的に発生し、登録・表示・届出などの手続きは保護の要件ではない。出願と登録によって初めて権利が発生する特許権などの産業財産権とは、この点で大きく異なる。 - 問題 18AIに関する法律と契約
機械学習モデルの学習のために、他人の著作物を含む大量のデータを収集・利用する行為に関する日本の著作権法の考え方として、最も適切な選択肢を 1 つ選べ。
- A.著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない情報解析のための利用は、著作権者の利益を不当に害する場合を除き、原則として許諾なく行うことができる。正解
- B.情報解析が目的であっても、学習に利用する著作物は 1 件ごとに著作権者の許諾を得なければならない。
- C.営利企業による学習利用は一律に認められておらず、非営利の研究機関に限って許諾なく利用できる。
- D.インターネット上に公開されている著作物は著作権が放棄されたものとみなされるため、自由に学習に利用できる。
解説日本の著作権法には、情報解析など著作物の享受を目的としない利用を権利制限の対象とする規定があり、営利・非営利を問わず適用され得る。ただし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は除かれる。インターネット上で公開されているだけでは著作権は放棄されず、1 件ごとの許諾も原則として不要である。 - 問題 19AI倫理・AIガバナンス
金融機関が与信審査に機械学習モデルを導入するにあたり、判断の公平性を確保するための取り組みを検討している。その取り組みとして、最も不適切な選択肢を1つ選べ。
- A.学習データにおける属性ごとのサンプル数や分布の偏りを、モデル開発の前に確認する。
- B.モデルは数値計算のみに基づいて判断するため、人間の関与を減らすほどバイアスは自動的に解消されると考える。正解
- C.性別などのセンシティブ属性を入力から除いても、他の変数を通じて間接的な差別が生じ得ることに注意する。
- D.予測結果を属性グループ別に集計し、グループ間で承認率や誤り率に大きな差がないかを検証する。
解説機械学習モデルは学習データや問題設定に含まれる偏りをそのまま学習するため、人間の関与を減らしてもバイアスは自動的には解消されない。データの偏りの事前確認、代理変数を通じた間接差別への注意、属性グループ別の性能検証といった能動的な取り組みこそが公平性の確保には不可欠である。 - 問題 20AI倫理・AIガバナンス
ある企業が過去の採用実績データを学習させて応募者を評価するAIモデルを構築したところ、特定の属性グループに対する評価が一貫して低くなる傾向が確認された。この現象が生じる主な原因の説明として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
- A.学習アルゴリズムの実装に不具合があることが原因であり、プログラムのバグを修正すれば解消される現象であるため。
- B.モデルの学習に用いる乱数の初期値がたまたま偏っていたことが原因であり、初期値を変えて再学習すれば通常は解消されるため。
- C.過去の人間による採用判断や当時の社会状況に含まれていた偏りが学習データに刻まれており、モデルがその傾向をそのまま学習して再現しているため。正解
- D.学習データの件数が多すぎることが原因であり、データ量を減らせば偏りは解消されるため。
解説過去の採用実績データには、当時の人間の判断や社会状況に由来する偏り(歴史的バイアス)が含まれることがあり、モデルはそれを正常に学習した結果として偏った評価を再現する。実装のバグや乱数の初期値、データ量の多さが主因ではないため、バグ修正や再学習、データの削減だけでは根本的に解消しない。
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